風輪の思い出箱

謎の文章やイラストとか日記とか書いてます

薬に依存した少女の話

友達に誘われて

付いていったのが始まりだった


差し出された薬を

一つ、二つ

三つ、四つ

飲み込んだ

気分はどんどん良くなり

楽しくなった


それからずっと友達と

ある場所で薬を飲んだ

ずっと、ずっと


ある日友達が引っ越した

でも私は一人で

薬を飲みに行った

私が

“依存してしまうやめた方がいい”

と言っていた

でも私はやめなかった

いや、やめられなかった

とっくに私は依存していた

四つの違う薬を

いつもの場所で

飲む、飲む、飲む、飲む


何回も何回も何回も何回も

繰り返し飲み続けた

少しずつわからなくなってくる

私はなんでここで

薬を飲み続けるのだろう


私が言った

“それにあなたが望んでいることはない”

“意味もなく飲み続けたって辛いだけだ”

私はそんな言葉に耳を傾けなかった

ただただ薬を飲み続けるだけ

でもある日

あの場所がなくなった

いつも薬を飲んでたあの場所

すごく似ているけど違う

ここはどこ?

薬を持ったまま私は立ってる

ねぇねぇあの場所は?

私が行きたいあの場所は?


“無駄だよ”

私が言った

“本当はわかってるでしょ”

“私が欲しいものはここにはない”

あぁ、そうだね

私は初めから知ってたんだ

“もういいんだね?”

うん、いいよ


そう言って私は

薬を捨てた